創刊号・2012 春

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特集1「ラヴクラフトを継ぐ者たち」

現在、英米のホラー出版は、小出版社とインターネットに支えられている、と言っても、過言ではないだろう。
スティーヴン・キングのようなビッグネームの作品や映画原作を別にすると、大手出版社からのホラーの刊行点数は減少した。その一方で、小出版社はロバート・ブロックやカール・エドワード・ワグナーら、定評ある作家たちの作品を選りすぐり、美麗な造本の限定版に仕立て、自社サイトで販売している。また、新たな書き手たちは、発表の場を小出版社に、あるいはネット上に求めるようになってきている。
興味深いのは「チャップブック」と呼ばれる、六十ページから八十ページくらいの冊子での出版が盛んなことだ。この形態で書き下ろし中篇や短篇集、小アンソロジーを刊行している小出版社は、数多い。
その中に、イギリスの「レインフォール」がある。二〇〇五年にラヴクラフトとクトゥルー神話への、若き作家たちのトリビュート・アンソロジーLovecraft's Disciples を刊行。以降、ロバート・E・ハワードやクラーク・アシュトン・スミスへのトリビュート・アンソロジー、書き下ろし中篇や個人短篇集など、刊行したチャップブックは百二十を超える。若手のホラー/ファンタジー作家の登竜門と言えるだろう。
本特集では、レインフォール最初のチャップブックから「ラヴクラフトを継ぐ者たち」のタイトルを拝借し、以下の五篇を紹介する。