3号・2012秋

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今いるところとは、別の世界です。

【特集】異界への誘い

 どんな世界か? あいにく私どもも、存じ上げません。 ただ「違う」としか。
たとえばある女性は、暗夜に川を渡り、古びた館にたどり つきます。美しい貴婦人がメイドと二人だけで暮らす、心 地よく安全なところですが、なにかが違います。
 ある科学者は、実験中に事故に遭って失明しかけ、それ まで見てきた世界とはまったく違う光景を見るようになり ます。湖畔のキャンプ場で星空を見上げる書店員は、自分 がいるところに、理由もなく不安を感じます。
 家庭と職場とを往復する日々のなか、ある会社員は「死 にたくない!」と叫びます。平穏なはずの彼の日常が、違 うものになってしまったのです。
 彼らは、いったいどこに踏み込んでしまったのでしょ う? そして、もといた世界に帰ってこられるのでしょう か。
 束の間ではありますが、異空間の恐怖を、抜け出すすべ のない不安を、お楽しみください。




【特集・異界への誘い】Invitations to otherwhere

  • 「夜の夢見の川」カール・エドワード・ワグナー 中村 融・訳 槻城 ゆう子・画
     【名作発掘】雨の夜に助けを求めた女だけの館には......? 世界幻想文学大賞候補作
    "The River of Night's Dreaming" by Karl Edward Wagner
  • 「ハワード・カーリックスの眼」ティム・クーレン 夏来 健次・訳 タケウマ・画
    実験中の事故が科学者にもたらした、新たな視覚の恐怖。俊英の邦訳、第二弾!
    "The Eyes of Howard Curlix" by Tim Curran
  • 「死にたくない」リチャード・マシスン 安野 玲・訳 楢 喜八・画
    平穏な日常が一転、死の恐怖に満ちた世界に......巨匠マシスン、健在なり!
    "He Wanted to Live" by Richard Matheson
  • 「黒いモスリンの小さな穴」サイモン・ストランザス 増田まもる・訳 藤原ヨウコウ・画
    カナディアン・ホラーの旗手、待望の本邦初紹介! 英国幻想文学大賞候補作
    "Pinholes in Black Muslin" by Simon Strantzas
  • 「悪戯」と「魔女の瓶」 シェーン・ジライヤ・カミングス 植草昌実・訳
    "Spin the Witch Bottle" and "Practical Joke" by Shane Jiraiya Cummings

【追悼】 レイ・ブラッドベリ

  • 「死びと使い」伊藤 典夫・訳 高橋 葉介・画
    『黒いカーニヴァル』の訳者が会心の新訳でおくる、単行本未収録の初期傑作
    "The Handler" by Ray Bradbury
  • 「不死者の祝福」 井上 雅彦
  • 「献花はたんぽぽにかぎる」 中村 融
  • 「たんぽぽを手向けて」 松坂 晴恵

【連載小説】

  • The Faceless City #3 「ホテル・ダレットの窓の外」 朝松 健 画・槻城 ゆう子

【追悼】 ホラー翻訳者・那智史郎氏(1949-2011)を偲ぶ

  • 「那智史郎さんのこと」 朝松 健
  • 「偉大なる趣味人・那智史郎」 笹川 吉晴

【連載コラム】

  • 【リレー・エッセイ】私の偏愛する三つの怪奇幻想小説
    その作品のみを愛す 三津田 信三
  • Asian Horror Now (3)立原 透耶
    中華圏星雲賞について
  • 金色の蜂蜜酒を飲みながら(3)朱鷺田 祐介
  • ファンタスティック・シネマ通信(3)鷲巣 義明
    "ナチス・ドイツVS地球防衛軍"を通じて風刺する脅威とは?
  • Night Library (1)ホラー&ダークファンタジー書評 笹川 吉晴
  • クトゥルー・インフォメーション(海外編)マット・カーペンター  英文オンライン