2号・2012夏

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幽霊屋敷はいかに改装すべきか?

【特集1】ネクロノミコン異聞

 一冊の古ぼけた本に、あらゆる叡智が記され、開きさえすればそのすべてが得られる。もし、そんな本を目の前にしたら、あなたは手を伸ばしますか?
 ただし、ページの間には危険が潜んでいることを、先にお知らせしておきましょう。その叡智が人類のものであるとは、どこにも記されてはいないのですから。あなたはその邪悪さに酔って、正気を失うかもしれません。あるいは、その無窮さを畏れるあまり、命を落としてしまうかもしれないのです。
 H・P・ラヴクラフトが創造した「死霊秘法」こと「ネクロノミコン」は、まさにそのような魔書といえるでしょう。狂詩人アブドゥル・アルハザードが七三〇年にダマスカスで記し、そののち奇怪な死を遂げて以来、諸国語に翻訳され密かに広まりながら、世界中に恐怖の種を蒔いているのですから。
 ラヴクラフト亡きあとも、「ネクロノミコン」は多くの作家たちの物語に現れ、数多の異聞を残しています。今回はその中から、三つの物語をお届けします。幸い、危険な引用はないようですが、それでも取扱いにはくれぐれも御用心を。




【特集2】モンスター・ゾーン
 警告! ここよりさき怪物領域!

 潜んでいるのは、人にあらず獣にあらず、人知を超えた異形のものたち。好奇心にかられて踏み込んだあなたが帰ってこられるかは、保証いたしかねます。
 しかし、怪物が心惹かれる存在であることは、間違いないようです。神話や伝説に現れ、映画やテレビで暴れまわり、デジタル・ゲームの画面では勇敢なハンターたちの挑戦を受ける。私たちはきっと、大昔から彼らのことが、好きなのでしょう。
 小説の世界にもモンスターたちは棲息しています。たとえばコナン・ドイルは、高空で巨大なクラゲのような生物に遭遇した飛行士の恐怖体験を描くばかりか、かの名探偵ホームズを伝説の魔犬と戦わせています。洒脱な短篇作家ジョン・コリアも、湖畔や大洋に未知の巨獣を出現させています。クトゥルー神話も、いわば壮大なる連作怪物小説。「ダンウィッチの怪」や「インスマウスの影」に怪獣映画を連想して、わくわくしながら読んだ方も多いことでしょう。
 さて、今回の四つの物語に潜むのは何か。勇気を出して踏み込んでみませんか。


【特集1:ネクロノミコン異聞】Tales of the Necronomicon

  • 「シムーンズの紅の書」マイクル・フォンティナ 夏来 健次・訳 画・建石 修志
    — ああ、私の本が一冊残らず......! 蒐集家を狂乱させる古書の呪い
    "The Red Book of Simoons" by Michael Fantina
  • 「へスター伯母さん」ブライアン・ラムレイ 田中 一江・訳 画・高木 桜子
    —【名作発掘】趣味は降霊術、愛読書は魔道書? 変わり者の伯母さんの秘密とは
    "Aunt Hester" by Brian Lumley
  • 「アルハザードの末裔」パトリック・ルトリジアーノ 野村 芳夫・訳 画・松山 ゆう
    — 米軍の兵士たちがイラクで遭遇した謎の老人。彼が携えたぼろぼろの本から......
    "Alhazred" by Patrick Rutligliano

【特集2:モンスター・ゾーン】Monster Zone

  • 「海が連れてきたもの」グリン・バーラス 安野 玲・訳 画・藤原 ヨウコウ
    — 海辺の町での彼女との出会い。それは恋と恐怖のはじまりだった!
    "What the Tide Brings" by Glynn Barrass
  • 「ピックマンの遺作」ロン・シフレット 金子 浩・訳 画・高橋 葉介
    — アーカムの私立探偵カーニー、謎の画家の回顧展で怪物に遭遇?
    "Unfinished Business" by Ron Shiflet
  • 「ポートランド石のわが心」マット・レイション 増田 まもる・訳 画・森山 由海
    — 謎のイングランド民謡に突き動かされ、音楽学教授は危険な旅に......
    "Mine Heart of Portland Stone" by Matt Leyshon
  • 「失われた者たちの谷」ロバート・E・ハワード 中村 融・訳 画・グレゴリー・ステープルズ
    —【名作発掘】銃撃戦の末に男が身を隠した洞窟。その奥底に潜むものは?
    "The Valley of the Lost" by Robert E. Howard

連載小説

  • The Faceless City #2 アイルズベリ・クラブにて 朝松 健 画・槻城 ゆう子

エッセイ

  • 怪物の作り方――娯楽読み物屋の場合 友野 詳
  • 【未訳書紹介】ロバート・ブロックの「未公認」? 自叙伝 植草 昌実

連載コラム

  • 【リレー・エッセイ】私の偏愛する三つの怪奇幻想小説
    — 貸本屋の恩人 井上 雅彦
  • Asian Horror Now (2)立原 透耶
    — 中国の若手幻想小説家、哥舒意(ゴー・シューイ)
  • 金色の蜂蜜酒を飲みながら(2)朱鷺田 祐介
  • ファンタスティック・シネマ通信(2)鷲巣 義明
    — 映画が変革する時代に産み落とされた、超絶変態映画『ムカデ人間2』
  • クトゥルー・インフォメーション(海外編)マット・カーペンター  英文オンライン

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